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2008年3月25日 (火)

C21H23NO5

スカパーに加入してから見ているNATIONAL GEOGRAPHIC CHANNEL
もともと雑誌のナショナルジオグラフィックが好きで度々読んでいました。
ドキュメンタリーは面白いし、勉強になる。

先日「潜入アフガンヘロイン」を見ました。
今世界中で蔓延しているヘロインの90%以上作られているのはアフガニスタン。
イスラムの戒律で麻薬類は禁止されているものの生活のために原料になるケシを栽培する人々。

ヘロインは植物のケシの実から採れるアヘンから作られる。
鼻から吸引したり、(ほとんどの中毒者はそうなっていくらしいが)血管へ注射する。
他では体験できないような高揚感を感じられて
そうしてどんどん取り返しのつかない深みへ墜ちて行く。

アフガニスタンで作られたヘロインは世界中へ運ばれて行きます。
16歳の頃、興味本位からヘロインをはじめた少女。
学校では優等生だったのにやがて学校は退学し、ヘロインを手に入れるために悪事を働く。
ついに昏睡状態に陥り、それがきっかけでヘロインをやめました。
しかしこの少女のようにヘロイン中毒になってからやめる出来る例は稀なようです。

世界の中でも手厚い社会保障制度とクリーンなイメージをもつ北欧ノルウェー。
しかしオスロにもヘロインは流れてきます。
あるカップルにクローズアップされますが、この彼女の方の姿が衝撃的でした。
うつろな瞳で路上にふらふらと立ち、服ははだけ
ほとんどショーツが丸見えになっている状態です。
このカップルの二人は国の発行する雑誌を路上で売り
午後にはそのお金をもってヘロインを売人から買いに行きます。
腕は注射針の跡だらけ。それでも互いにヘロインを打ち
ただ屍のようにからだを横たえる。
ノルウェーでも麻薬中毒者には手を焼いているが、これ以上の蔓延と
病気を防ぐ為にセンター行くと新しい注射針を貰えるし、カフェテリアのようなところもある。
何とかカップルの彼もヘロインをやめたいとは思っているが、
やめられない。
それが麻薬中毒。

ヘロイン中毒者は空を見つめ焦点の合っていない虚ろな目を皆がしている。
一時の高揚感と引き換えに魂を売ってしまったように見える。


日本でも麻薬は他人事ではなくて、覚醒剤、大麻と一部では流通していると思う。
現に私も以前人から
「cheireさんって大麻やってると思ってた」と言われた事がある。
時々ナニ人かわからないようなファッションをしているからかもしれないが、
正直言って、冗談じゃない、と思った。
私は麻薬は当然のこと、タバコだって生まれてこのかた一服もしたことが無いし、
第一、頭の固い人間なのだ。


ちょうど映画を見ていたらリバーフェニックスがでる筈だった映画だった。
リバーフェニックスは10代の頃好きだった。どこか繊細な感じがして。
彼もヘロインとコカインの過剰摂取で命を落とした。23歳という若さで。
彼を看取ったのが、私も好きなレッドホットチリペッパーズのベーシスト、フリーだったらしい。

音楽やアートを作る人にも麻薬に溺れてしまう人は多いような気がするけど、
麻薬の力を借りて自分の脳内の奥底にある部分まで刺激してモノを生み出せるのかもしれないが
それよりも苦しみながらでも自分の中にあるモノを絞りだして作り上げるのが本当だと思う。


人間の好物を生み出し、栽培させ繁栄させる
ケシという植物の策略。ヘロイン。




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