« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »

2012年1月26日 (木)

カッコウの托卵

野鳥図鑑を見ていたら、日本にやってくるカッコウ科の主な4種、
カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチのそれぞれの托卵相手が違う事に気がついて
托卵という自然の摂理が気になって調べてみた。

聞いた事がある人がほとんどだとは思うけれど、カッコウは托卵する。
托卵というのは自分で巣をもって子育てせず、他の鳥(魚類や昆虫類でも見られる)に育ててもらう事。
カッコウ科の鳥は他の鳥の巣に一個だけ自分の卵を産み、もともとあった卵のうちの一個を持ち去る(すり替え)
巣の持ち主の鳥は気がつかずに卵を温め続け、カッコウの卵は短期間で孵化するので
巣の持ち主の卵より先に孵化する。
生まれたばかりのカッコウのヒナはまだ目もあいていないのに、背中にあるくぼみに
巣の持ち主の卵を乗せ、巣の外に放り出す。
自分一羽になったカッコウのヒナは托卵相手の親鳥の愛情をいっしんに受け、せっせと餌を運んでもらう。
カッコウ科の鳥の托卵相手は大抵小鳥なので親鳥よりもカッコウのヒナの方が全然大きい。
(オオヨシキリ18cm、カッコウ32cm)

なぜこのカッコウ科の鳥が托卵をするようになったかというと、
体温が関係しているらしい。
他の鳥は気温に関わらず高温を保ちつづけているのに対して、
カッコウは鳥の先祖である爬虫類の変温体質をいまだに残していて、体温が低く、
気温で変動も激しく、卵を温める能力に乏しいため他の鳥に温めてもらう道を選んだらしい。

そして不思議だなーと思ったのがカッコウ科のそれぞれの種類が
托卵する相手となる鳥が違う事。
カッコウ:モズ・オオヨシキリ・ノビタキ・オナガ
ホトトギス:ウグイス・ホオジロ
ツツドリ:センダイムシクイ・ビンズイ・キクイタダキ・アオジ
ジュウイチ:コルリ・オオルリ・コマドリ・ルリビタキ
同じ鳥にばかり托卵すると托卵する相手の種が途絶えてしまう可能性が高いし
そうなるとカッコウ科の鳥達も困ってしまうからかもしれないですね。

そしてこの托卵される相手の鳥達もやすやすと托卵されているわけではないようです。
カッコウ達はばれないように托卵相手となる鳥の卵に近い大きさ、模様の卵を産むわけですが、
他の鳥達もだんだんとそれが見破れるようになってきます。
巣からカッコウの卵だけ落としたり、カッコウが近づくと攻撃したり。
昔の文献からカッコウはホウジロに托卵をしていたようですが、ホウジロはかなり高い確率でカッコウの卵を見破れるようになったようです。
そしてここ数十年でカッコウが托卵相手に選んだのはオナガ。
最初はだまされていたオナガですが、現在では托卵に気がつき、カッコウへの攻撃性も獲得、卵も見破れるようになってきているようです。
オナガはカラス科の鳥で頭がいいですからね。

そして最近の研究でわかってきたことは、カッコウは乱婚で(鳥によっては一夫一婦だったり一夫多妻だったりする)
托卵する相手を選ぶ遺伝子はメスにあるという事。
メスは托卵する相手の卵に似せた卵を産まなければならないかららしい。
そしてそのメスが托卵する相手は自分を育ててくれた仮親と同じ鳥であることがまた不思議だ。
オオヨシキリに育てられたオスと、モズに育てられたメスが出会って交尾した場合、
メスは仮親と同じモズに托卵する。そしてそれは一生変わらない。

この話を夫としていたら、彼がある仮説をたてた。
「カッコウは間引きの役割をはたしているのでは?」
なるほど。托卵相手は大抵複数の卵を産む鳥で、カッコウは一個だけ。
ある種類の鳥が増えすぎないようにバランスを取る役割なのかもしれない。
なかなか面白い考えだと思った。

あと「カッコーの巣の上で(One Flew Over the Cuckoo's Nest)」というアメリカ映画がありますが
カッコーは托卵するので巣は持たないはず。どういうこと?と調べたら
英語の"One Flew Over the Cuckoo's Nest"はマザーグースの早口言葉から来ていて
Cuckooは英語でクークー、このクークーは「気違い」という意味があるそうです。
精神病院を描いた映画なのでCuckoo's Nest=気違いの巣、精神病院という事。
One Flew Over the Cuckoo's Nest=気違いの巣から飛び立った一人
という訳です。
気違い扱いされたカッコー。かわいそうだなぁ。
*ご指摘があってアメリカのカッコウは巣を作る種類がいるとか。

カッコウは夏鳥なので日本には夏になるとやってきます。
今まで鳴き声は聞いた事があるものの見た事がないので今年は是非みたいなぁ。

| | コメント (4)

2012年1月15日 (日)

初雪の野鳥観察

相変わらずネタ的に鳥が続きますが(笑)

かいこさんと山の湖のほうへバードウォッチングに出かけました。
以前夏にも出かけた事がある場所ですが、冬はだいぶ様子が違いますね。
神奈川県内だし、山っていってもたいした事ないと思ってましたが
やはり平地とは違う。日中でも温度計は1度をさしていました。
高地の気温をなめちゃいけませんね。

林道をてくてく歩いていると最初ちょっと曇っていて気がつくと雪が降ってきた
うちのまわりではまだ雪は降っていないので初雪でした。

湧き水のせせらぎも、水たまりもこの通り凍ってました。
Img_4213

夏よりは冬の方が断然鳥達を見つけやすいのですが、山となると範囲が広いので
あまり沢山は見つけられなかったけど初めて見れた野鳥もいました。

だんだん晴れてきて日差しがあると暖かく感じますね。お日様さまさまです。
日差しがあったほうが鳥達も出てきた気がします。

こちらはわりと頻繁に現れてくれたホウジロ。さえずっている姿が可愛かった。
Img_0524

初めて見たので最初名前がわからず、お話ししたバーダーの方に写真をみせて教えてもらった
カヤクグリ
Img_4175

日の当たるベストポジションのモズ(オス)
脚が羽毛から透けててかわいい。
Img_0543

モズを見ていたら背中だけ見るとモズと似ているジョウビタキのオスがやってきた。
モズは小さな猛禽と呼ばれる程、小さくても肉食で鳥を襲ったりもするので
ジョビ男〜大丈夫か〜!と思いましたがどうやら大丈夫なようでした。
Img_0545

他にも猛禽類や、トラツグミらしき鳥とニアミスもあったので
またリベンジしたいです。

| | コメント (4)

2012年1月11日 (水)

ルリとジョビ

大好きなルリビタキを見にこちらも初めてのフィールドへ。

お目当てのルリが見たいと思っていたら始めに現れたのがジョウビタキ(オス)
Img_0383

そのあと一回ルリビタキがやってきたんだけど、どうも縄張り争いをジョウビタキとしているらしく
ジョウビタキが追っ払ってしまった・・。

ま、ジョビ男もかわいいんだけどね。
Img_0458

Img_0454

しばらくしたらルリビタキがやってきました!
Img_0443

いつ見ても綺麗な青だな〜
Img_0411

正面顔。
Img_0407

ルリビタキもジョウビタキも同時に見られていい日でした。
ヒタキはやっぱり可愛いなぁ。
他のヒタキも色々見てみたい。

水面では鴨がゆらゆら。
Img_4121

日差しが暖かくて鳥撮りにはいい一日でした。

| | コメント (0)

2012年1月 9日 (月)

野鳥9種盛り

鳥撮りシーズンがやってきて、新しい機材もやってきて、
休みの度にどこかしらへバードウォッチングに出かける日々です。

今回やってきたのは初めてのフィールド。
すぐに聞こえてきたのは聞いた事の無い鳥の鳴き声。
最初大きさからムクドリかな?と思ってよく見たらどうも違う。
つっぱり(古い)ヘアの黒い鳥。虹彩がオレンジで風切羽根に白が入ってる。
見た事のない鳥だったけど、何となく日本の野鳥ではないような気がする。
Img_0305

帰ってきて調べてみたら「ハッカチョウ」と言うやはり外来種でした。

水場でかわいい風景。
メジロ風呂。
Img_4040

混浴でシジュウカラもやってきた。
Img_4041

こちらはアオジのお嬢さん。
Img_0344

すぐ足下にキジバトがうずくまってた。
家の周りにもしょっちゅういる野鳥なので特に紹介したことはないけれど
アップで見るとグラデーションの羽根の色や目の周りのぶどう色なんて中々素敵な色合いです。
Img_4044

池ではここでもカワセミが見られました。
カワセミはどこへ行っても人気者です。
Img_4047

Img_0321

カワセミの狩りの瞬間をキャッチ。海老を捕まえて食べていました。
カワセミは英名でKingfisher(釣りの王)まさにその通り。
Img_0328

こちらもしょっちゅういるので「なんだヒヨか・・」と言われてしまうヒヨドリ。
Img_0354
よく見るとかわいい顔してるんだけどね。

メジロがツルウメモドキの実をパクリ。
Img_4072

冬になると見られるアカハラ。ツグミ科の野鳥です。
Img_4078

そして、三年ぶりに出会えた私の大好きな青い鳥、ルリビタキ(オス)
Img_4087

やっぱりルリビタキはかわいいなぁ。
去年は出会えなくて、一昨年はメス(色が地味)ばかりだったので本当に久しぶり。
今年は沢山出会えるといいな。

| | コメント (2)

2012年1月 8日 (日)

デジスコがやってきた

この年末、我が家に新兵器がやってきました。

それはデジスコです。

デジスコとは、野鳥観察用の望遠鏡(フィールドスコープ)とデジタルカメラを組み合わせた超望遠撮影を可能にしたシステム。
コリメート法という方法で撮影します。
(簡単に言うと望遠鏡を覗くところにデジカメのレンズをくっつける形)
1000〜3000mmの撮影が可能です。
Img_0629

 超望遠なので三脚必須。

普通はこんなに背が高くならないタイプなのですが、我が家は二人とも背が高いので三脚はカルマーニュE740にして
移動時は短くできて4段で伸ばすと高くなるものにしました。

基本的にデジスコは夫が使う事が多くなりそうです。
(私は現行の一眼レフで手持ち撮影)

以下デジスコで撮った野鳥の写真。

カワセミ
Img_0177
Img_0171

カワセミって正面から見るとちょっとウサギに似てる・・かわいい。


頭上でトントンと木を突く音が聞こえたと思ったらコゲラが絶賛突貫工事中で家を作っていました。
ちょこんと顔を出したコゲラ。か、かわいい。。
Img_0233


川べりでは猛禽類。
オオタカの若みたい。虹彩が黄色でかっこいい。
Img_0274


モズのオス。
Img_0285


いやはや、デジスコの威力すごいですね。
オオタカはかなり距離があるのにかなり撮れてる。
今まで遠くて諦めていた被写体も期待できそう。


こちらは手持ちの一眼で撮ったトビ。
Img_3983

こういう飛んでいたり動いている被写体についてはデジスコは機動力に劣るので難しいです。

物欲は尽きなくて、こうなると一眼の方ももっといいレンズが欲しくなってきて困ったもんです(笑)

| | コメント (2)

« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »