2018年5月11日 (金)

しばらく前に見た映画

書いたものの放置してあった記事。
だいぶ前に見た映画など。

最近は韓国ドラマはちょっとお休みして、ぼちぼち映画を見てます。
その中で印象に残った映画をいくつか。

ちょっと前に話題だった映画2本、「ララランド」と「君の名は」を見ました。



「ララランド」は恋愛物のミュージカル映画っていうくらいの予備知識で見ましたが
見始めてしばらくして、見始めたことを後悔しました。
Gleeとかピッチパーフェクトみたいな歌うことをテーマにした物語は好きだけど
台詞が歌だったり突然踊りだすミュージカルは正直あんまり得意じゃない。
前半はかなり退屈だったんですが、ミアとセブがすれ違う後半に入ったあたりから果然面白くなって
私は後半部分の方が好きでした。
でも巷では前半はいいけど後半が面白くないという声もあって好みが分かれるみたい。
あとこの映画はラストシーンがとても良かった。
それぞれ別れて違う人生を歩んだ2人がセブのバーで出会って言葉を交わすわけではなく
目と目で会話をして、セブがミアにちょっと微笑んで頷くシーン。そこでほろっときました。
2人が別れてミアは別の人と結婚して子供もいて。セブは(多分)1人で。
でもその方がリアリティがある。




「君の名は」は新藤監督の映画は「言の葉の庭」は見たことがあって映像が綺麗で音楽がいい印象で
「君の名は」はあれだけ話題になっていたのに入れ替わりものってくらいの予備知識で鑑賞。
話もよく出来ていたし、確かに泣いたし良い映画でした。
でもなんであれだけ大ヒットしたのか謎ではあります。リピーターが多いようだったんだけど
実は私も一回見た後もう一回見ました。で、飽きずにもう一回見れた。
何で大ヒットしたのかは謎のままなんだけど、確かにもう一回見ても楽しめる。
そこがこの映画の不思議なところで魅力なのかもしれない。

印象に残った映画といえば2006年・オーストラリア映画の「明日、君がいない」



監督・脚本のムラール・K・タルリがこの作品を撮った時なんと19歳。
午後2:37に校内の誰かが自殺したところから始まり、
さまざまな登場人物が出てきて、最終的に誰が自殺したのかがわかる。
優等生のマーカス、マーカスの妹のメロディ、Jock(体育会系ヒーロー)のルーク、
ルークの彼女でQueenBee的なサラ、ゲイである事をカミングアウトしているショーン、
転校生で体に障害があるスティーブン。
メロディは兄マーカスに性的虐待をされて妊娠し、男女問わず人気者のルークは実は隠れゲイでショーンと関係がある。
それぞれに悩みがあって自殺するような原因がありそうに見える。
でも結局自殺したのはケリーという女子学生で、ケリーはマーカスの事を好きだったり
優しい性格でいじめられているスティーブンに声をかけてあげたりと
あくまで物語では目立たないでひっそりと存在してる。
だからケリーが自殺した原因は誰にもわからない。
上記の6人はある意味派手なストーリー性のある人生で主人公になりうるキャラクター。
でもケリーは、あの子ケリーっていう名前だったんだ。で終わるような女の子。
現実はこんな風なのかもな、と思った。

韓国映画も変わらずぼちぼち見てます。
「彼とわたしの漂流日記」「結婚前夜」「怪しい彼女」「音痴クリニック」「ビューティー・インサイド」「僕の妻の全て」「今日の恋愛」「その日の雰囲気」「レッドカーペット」などなどジャンル問わず。
見た中で、同性愛というテーマが物語の中にあったのが「私の少女」と「ハイヒールの男」



「私の少女」は田舎に左遷された警察官ヨンナム(ペ・ドゥナ)と家族から虐待を受けている少女ドヒ(キム・セロン)の交流の話なんだけど
ヨンナムが左遷された原因がレズビアンだったって事なんだよね。
物語の中でもそれを田舎町の人にも知られ、あらぬ疑いをかけられる。



「ハイヒールの男」はサイボーグと呼ばれるほど強面でムキムキの刑事であるジウク(チャ・スンウォン)
は実は心は女性で刑事をやめ性転換手術を受けて女性として生きたいと思ってる。
物語的にはコメディではなくて、がっつりハードボイルド。
チャ・スンウォンと言えばドラマ等にも出てる俳優さんだけど、出演ドラマは見ていなくて
私的にはバラエティの「三食ごはん・漁村編」に出てくるチャジュンマ!(チャ+アジュンマ‘おばさん‘でチャジュンマ)
ここでも長身の強面ながら、すごい料理が得意で綺麗好きで一家のお母さん的役割。
「ハイヒールの男」では女性になりたい役なので女装するシーンがいくつかあるんだけど
それが意外や意外、綺麗でびっくり!あんな男くさい人なのにメイクすると綺麗なの。
背はびっくりする程大きいけど。188cmに+ハイヒールだもんね。
両方ともなかなか周囲に同性愛者だってことが受け入れてもらえないんだけど
韓国ってかなりLGBTに関して閉鎖的な社会みたいですね。




「ビューティー・インサイド」は眠ってしまうと毎日性別も、年齢も、人種までも変わってしまう男性が恋をして
そのことを受け入れてくれた恋人とのストーリーなんですが面白かったです。
この毎日変わってしまう主人公を色々な役者さんが演じているので、韓国映画・ドラマ好きならより一層楽しめる。
一番初めはキム・デミョンでミセンのキム代理!他にはミセンのキム・ヒウォンだったり
パク・シネちゃんとかパク・ソジュンとかユ・ヨンソクとか好きな俳優さんいっぱい。
チョン・ウヒとかキム・サンホとか実力のあるいい俳優もいっぱい。イ・ジニクも出てましたね。
雪の中、別れを告げるシーンでは昨年事故で亡くなったキム・ジュヒョクさんでした。
あのシーン、この映画の中で一番美しくて好きなシーンでした。
雰囲気のある俳優さんだったのに残念です。
日本人で唯一上野樹里ちゃんも出演してます。上野樹里ちゃんは「のだめ」が韓国でも放送されていて人気だったらしいですね。
出てくる俳優さんは多いですが、ウジン役がほとんどなので他の登場人物は少ないです。
でもウジンの親友のサンベク役は「応答せよ1988」のドンリョン!なかなかいい味でした。
イスの姉はイ・ミドさん。私この女優さん大好きなんですよね~名脇役。いとうあさこさんに似てます。
「レッドカーペット」にも出てて目力のくだりのミドさんのシーンを見るだけでも価値があります。

昔はよくイタリア映画とかフランス映画とか見てたんだけど最近はめっきり。
その時の気分で自分の中で流行がありますよね。
同僚から中国映画をオススメされたので、中国映画ってほとんど見た事ないんだけど見てみようかな。

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2017年12月30日 (土)

マイPSパートナー

GyaOにて無料配信されていたので鑑賞。
1/12まで無料配信中です。

2012年 韓国映画
マイPSパートナー




韓国ドラマでも人気のチソンと、キム・アジュン主演。

この映画、私かなり好きです。
R18で、下ネタ満載な映画なんですがストーリーとしては切なくて
種類としては、これまた大好きな映画パク・ヘイル、カン・ヘジョン主演の「恋愛の目的」に近い。

タイトルのマイPSパートナーの“PS”ってPhoneSexの略なんです。
物語は、ソングライターを目指すも芽が出ず長年付き合った彼女に振られ、未練タラタラのヒョンスン(チソン)。
ある晩、携帯に電話がかかってくると、相手の女性は突然PSを始める。
電話の相手はランジェリーデザイナーの卵のユンジョン(キム・アジュン)で5年付き合っている彼氏とのマンネリ打破の為にPSをしようとしたところ、買い換えたばかりのスマホだった為、間違い電話でヒョンスンに繋がってしまっていた。
慌てて切ったけれど、時すでに遅し。
数日後、酔った勢いで今度はヒョンスンからユンジョンへ電話する。
最初は喧嘩越しだったけれど、だんだん愚痴を聞きあうようになり、電話友達になる。

以下ネタバレあり

2回目の電話の時から、ぶっちゃけトークで仲良くなっていく2人。
顔も名前も知らない同士、気兼ねなく何でも話せる仲になっていくんですよね。
ヒョンスンは元カノに未練タラタラだし、ユンジョンは中々プロポーズしてくれない彼氏は実は浮気している事も知っている。
ヒョンスンから「会わない?」って提案されて一回断るも、飲み会で浮気相手が会社の後輩だったと知っていたたまれなくなって会う約束をするユンジョン。
噴水の前で初めて会うヒョンスンとユンジョン。
その後勢いもあってホテルに行くけど、やっぱり無理、ってユンジョンが拒否する。
でも同じ部屋でヒョンスンに電話越しで話を聞いてもらって、最終的には体を重ねる2人。

このね、シーツを被った2人が重なるシーンが灯りの感じとかすごくロマンティックで美しいラブシーンでした。



そしてどんどん距離が近づいていく2人。
元カノにあって落ち込んで雨の中ずぶ濡れになって子犬のように泣いているヒョンスンを励ますユンジョン。
ヒョンスンの家に行ってユンジョンの声で曲を作るヒョンスン。
「才能あるよ、音楽続けなよ」って言ってくれるユンジョン。
友達に嫌味を言われたユンジョンを庇ってくれるヒョンスン。
もうどんどんお互いの事が好きになっていっちゃってるんですよね。

でもそんな時にあんなに待っていた彼氏からのプロポーズ。プロポーズを受ける。
ヒョンスンも元カノからよりを戻そうと言われ元鞘にもどる。
でも、もう心はヒョンスン、ユンジョンお互いに向いてしまっているのにタイミングが合わないですれ違ってしまう。

ユンジョンの結婚式の当日、友達と旅行に行く予定だったのに想いを伝えてない‼︎と思い直して引き返し、走るヒョンスン。
会場では結婚式真っ最中で祝歌が歌われていたところに乱入して、
自分も美しい花嫁に祝歌を贈ると突然ギター片手に歌い出すユンジョン。

このシーンも大好きです。
この曲(映画のテーマ曲にもなってる)本当に良い曲なんですよ。
最初は普通の歌詞なんだけど、途中からヒョンスンとユンジョン、お互いの関係を表してる卑猥な歌詞で会場がざわめくんだけど
なんか卑猥な歌詞なんだけど、率直で本当にこの映画の中では重要で。
だってタイトル“Show me your panty”だもん。

チソンは決して歌が上手い訳じゃない(下手でもないけど)けど、ヒョンスンはシンガーソングライターでなくソングライターの役なので上手すぎなくてよかったと思う。

この曲を作った人って映画の中にもチラッと出てくるシン・ヘチョルさんなんですね。
シン・ヘチョルさんは1990年代から活躍しているK-POP界の大物ミュージシャン・プロデューサーだったらしいのですが2014年に46歳の若さで亡くなられました。
その死亡原因が医療事故っていう…
名曲を沢山生み出された方(私の好きなドラマ、応答せよの曲もだった)らしいので残念ですね。

結婚式をぶち壊した形になってしまったけど、ユンジョンも彼氏が浮気相手を式に招待してるのを見て問い詰める。
式場から飛び出すユンジョンを追って愛してると告白するヒョンスンだけど、ユンジョンは去ってしまう。

季節が変わって、ユンジョンは念願だったランジェリーショップをオープンさせて、ヒョンスンもソングライターとして成功していてラジオ番組に出ている。
友達のふりをしてラジオのコーナーでヒョンスンの作った曲を歌うユンジョン。
“Show me your panty”は歌詞を変えて“Show me your heart”という曲になってる。
声でユンジョンだと気がついたヒョンスンはお互いらしい台詞で愛を確認する。

この最後のラジオの電話越しもオシャレな終わり方で良かったです。
電話で始まった2人の関係だから電話で終わる。
会話の内容も2人らしい、2人にしかわからない世界で。

チソンの歌う“Show me your panty”もいいけど、キム・アジュンの歌う“Show me your heart”も美しい歌声でアレンジも好きで
思わず二曲ともダウンロードしてしまいました。

脇役で元カノ役はシン・ソユル。応答せよ1997のユジョンだ!
結構良い脱ぎっぷりで脱いでます。
あとヒョンスンの友達役で映画やドラマでよく見るキム・ソンオがでてました。
キム・ソンオさん本当に色んな作品でお見かけします。この方、瞳の色が独特で綺麗なんですよね〜
韓国の俳優さんって時々こういう瞳の色が薄い方がいますよね。

あとこの映画で良いなと感じたのが照明。
上記のベッドのシーンもそうだし、夜のシーンが多いけど照明が全編通して綺麗だった。

卑猥な台詞も多いし、R18な映画だけど
テーマとしてはお互いを尊重して想い合える2人の物語ですごく良かったので
こういう映画を食わず嫌いしないで見て欲しいと思った映画でした。

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2017年12月21日 (木)

密偵

新宿シネマートで公開されている韓国映画「密偵」を見てきました。




1920年代、朝鮮半島を日本がと統治していた時代。
武装独立運動団体「義烈団」と日本の警察との攻防戦。

日本警察のトップは鶴見信吾演じる東。
朝鮮人でありながら日本警察で働くのが主演のソン・ガンホ演じるジョンチュル。
義烈団のリーダーがイ・ビョンホンで、隊長がコン・ユ演じるウジン。
日韓でなかなか豪華な出演陣です。

韓国映画にしてもドラマにしても現代劇でないもの(史劇)は特に好きなジャンルではないので見る事が少ないんですが
1920年代のファッションとか、西洋文化が入ってきて入り混じっている感じの風景や建物とかは好きです。
歴史的な背景で不勉強なのでこの当時の日韓の関係でわからない部分もあるんですが
こういう映画を見ると改めて調べてみようかな、という気持ちになります。

主演のソン・ガンホが一番日本語での台詞も多いんですが結構上手でした。
ソン・ガンホは好きな役者なので出演作はつい見ちゃう。今度公開するタクシードライバーも見たいな。
コン・ユはトガニだったり社会派の映画に出ている分には好きなんですが
なんとなく顔の好みからしてラブストーリーは見る気が今まで起きなかったんだけど
今回ちょっとかっこいいのかも?って気がしてきました。背が高くてスタイルがいいですね。
映画館を出た後におば様達が「かっこよかった~」って言っていたので多分コン・ユさんペンなのかな。
ポスターにもバーンと出ているイ・ビョンホンは友情出演程度の時間しか出てません。

2時間20分と長めな映画なんですが、案外飽きることなく見れました。
あと、さすが韓国映画、拷問のシーンがえぐいです。

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2017年11月30日 (木)

ハロー⁉︎ゴースト

ちょっと前に見て、すっごく良かった韓国映画。
韓国映画は割と見ているんだけど、なぜかノーチェックだった作品。
この映画のすぐ後に「息もできない」を見て、こちらも猛烈に心を揺さぶられて
周囲に激しくオススメしているんですが、「息もできない」は見る人の好みが分かれる映画だと思うので
ライトな映画が好きな方にはこちらの「ハロー!?ゴースト」をプッシュしてます。



ハロー!?ゴースト 헬로우 고스트 2010年 韓国映画





ストーリーは
孤児として育ったサンマン(チャ・テヒョン)は生きる事に疲れ、何度も自殺を図る。
その度に失敗して、ある日川へ飛び込みまたしても助かってしまい病院へ運ばれたあと
何故か幽霊が見えるようになって
ヘビースモーカーのおじさん幽霊、泣いてばかりいるおばさん幽霊、エロじじいの幽霊、
食いしん坊の少年の幽霊の4人に憑りつかれてしまう。
霊媒師に相談に行ったところ、4人の願い事を聞いてあげるよう助言される。
サンフンは仕方なく願い事を叶える手助けをはじめるのだが・・



この映画は、絶対に、絶対に!!ネタバレを読んではいけません!
見てない方、ものすごくオススメな映画なので是非ネタバレ読まずにまず見てください!!


以下ネタバレあり


途中まで見てて、すごく盛り上がりがあるわけでもなくライトなコメディって感じて
普通の映画だよな~って見ていたんですが
それが残り10分、ゴースト達がサンフンの家族だってわかった途端
キムパを食べながら「!!!!」と気がついたサンフンと同じく「!!!!」ってなりました。
そこから涙腺崩壊(笑)
市場で食事の材料を買い物する時に、キムパ(海苔巻き)にはセリなのよ、
っていう所を、あとで気がつかせる演出とか巧い!と思う。
ゴースト達が家族だったってわかると、今までの行動がパズルを埋めるように理解できる。
サンフンのお父さんであって、お母さんであって、お兄ちゃんであって、おじいちゃんだったゴースト達。
この映画のうまいところは、なぜかラスト10分までゴースト達がサンフンの家族だって気がつかせない事。
気がつけば気がつきそうなんだけど、何でか気がつかないんですよね~



韓国映画はジャンルとしては多分一番サスペンス・バイオレンス系を見てるんだけど
ヒューマンも良い作品多いですね。

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2017年9月11日 (月)

息もできない

韓国映画は以前から好きで結構数を見ているほう。
韓国ノワールといわれるバイオレンス・サスペンス系は特に好きで気になる作品は大抵見ていて
ラブロマンスやヒューマン系も評判良さそうだったり好きな俳優が出ているものは見ていました。

「息もできない」は韓国映画の中でも割と有名だと思うし
国際映画祭で受賞している作品なので勿論知っていて
評判も良さそうだったけど、何となく今まで見る気が起きず未鑑賞でした。
タイトルと、キャッチコピーの感じで何となく恋愛ものなのかな?って気がしていて。

この間、韓国ドラマの「大丈夫、愛だ」を見ました。
このドラマはラブコメディでもあるんですが、主人公含めキャラクターの多くが心に病を抱えた人たちの話で
(精神科医であるヒロイン自体が不安障害だったり)
その中でカギとなる人物の役だった、ヒーローの兄ジュボム役だったのがヤン・イクチュン。
この兄は養父殺しで服役していて暴力的な役柄。
ジュボムはやたら存在感があって、ドラマを見ているとき
「なんかこの人ドラマというより映画っぽい感じの役者だなぁ」って印象だったんです。
どっかで見た事ある顔だな?と調べたら「息もできない」の主演でした。

「息もできない」はそのヤン・イクチュンが監督・主演・脚本・編集・制作までしている映画。
主演俳優とだけ思っていたので驚きました。
途中予算が足りなくなって自宅を売ってまで作った映画だとか。
ヤン・イクチュンはもともと俳優で、この作品が監督デビュー作。

あらすじとしては
借金の取り立て屋をしているチンピラのサンフン(ヤン・イクチュン)は
少年の頃、家庭内暴力の末に父親が母親と妹を殺してしまい、父親に怒りと憎しみを抱きながら生きている。
常に暴力的で誰彼かまわず暴力を振るうような男だが、甥に対しては優しい一面をもっていたり。
偶然出会った女子高生のヨニ(キム・コッピ)もまたベトナム戦争後精神を病んでいる父親がいて
母親も死んでいて、弟も高校にもいかず荒れた生活で暴力的。
恵まれない環境の中で出会った二人。

感想としては

いや~すごい映画でした。今まで見ないで勿体なかった。
なんていうか悲しくて痛くて、切ない。
途中から号泣で、最後のスタッフロールが終わっても嗚咽がとまらなかった。

何となく見るまでは恋愛映画なんだ思っていたけど、恋愛要素もなくはないけど
これはもう「人間」の関係を描いているからなんだろう、ジャンルとしてはヒューマン?
でも所謂ハートウォーミングなヒューマンではない・・
バイオレンス映画でもあるけど、バイオレンスなだけじゃない・・
ジャンル分けの難しい映画です。

サンフンが憎んで、死んでほしいと言っていた父親が自殺未遂を起こし
ヨニは精神を病んだ父親が包丁を自分に向けてきたので家を飛び出し
漢江の川原で何も事情を話すわけでもなく2人で泣くシーン。
ヨニはこの時も、最後も泣くときに声を押し殺して泣く。
この声を押し殺して泣く様子がすごくリアルだった。

暴力の連鎖で悲しい結末を迎えてしまう話だけど
サンフンの友達だったり姉だったりまともな人たちもいて
その中でヨニも弟の事、サンフンの過去を乗り越えて生きていってほしいと節に願ってしまう。
映画の中の話なのに。

ヤン・イクチュン監督、すごいです。
家庭内暴力という自分自身の経験をもとに書かれた脚本で、もうこの映画で出し切ったとの事で
しばらく長編映画を撮る予定はないそうです。

この映画の原題は「똥파리トンパリ」
糞蠅を意味する罵倒語だそうです。

魂に刺さる、久しぶりにそんな映画を見た気がします。





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2017年8月 1日 (火)

愛の棘

韓国ドラマ「運命のように君を愛してる」の主演だったチャン・ヒョク。
すっかり彼に魅了されてしまって、他の作品も見たいと思いました。
ドラマも映画も多数出ているんだけどドラマだと長丁場なので
とりあえず映画を見て見る事に。
ラブサイコサスペンスの「愛の棘」を見ました。



「運命のように~」でも彼にハマったのが色気があるからなんですよね。
この色気というのは私にとって重要で、あんまり爽やかなのは惹かれない。
「運命のように~」もコミカルな演技とシリアスな演技のさじ加減が丁度良いのと
時折見せる色っぽい眼差しにやられました(笑)
もう一人好きな映画俳優のパク・ヘイルも顔が特にカッコいいわけじゃなんだけど
ちょっと色っぽさとか危うさみたいなのを感じる所が好き。
そういう意味でも映画俳優のキム・ユンソクもおじさんで格好いいわけじゃないけど色気がある。
でもチャン・ヒョクは色気がある上にルックスも格好良い。
顔だちも綺麗だし腹筋もびっくりするほど割れてる(笑)
そういえばチャン・ヒョクもパク・ヘイルも私同じ年だわ。



「愛の棘」は2014年公開の韓国映画。

ジュンギ(チャン・ヒョク)は女子高の体育教師。身重の妻ソヨン(ソン・ウソン)と二人暮らし。
義父にマンションを買ってもらったり就職先の面倒を見てもらったり妻側の親族に頭があがらない。
でも女子高ではイケメンの先生として生徒たちからは絶大な人気がある。
そんな中、一人の女生徒ヨンウン(チョ・ボア)がジュンギに猛烈アプローチ。
まんざらではない先生・ジュンギも「先生をからかうな」なんて最初は言ってたのに
ある雨の日の放課後、ヨンウンに誘惑されてしまってキスをしてしまう。
そこから「先生に愛されてる」と妄想が暴走したヨンウンがストーカー化してしまう。
最終的に妻ソヨンとも一騎打ちになり泥沼化。



以下ネタバレあり



ヨンウンが妄想で妊娠したと騒いだり、それを闇医者に堕ろさせようとソヨンがしたり
ソヨンの産んだ子をヨンウンが連れ去ったり最終的に女二人の泥沼の戦いに後半はなって行きます。
一番まともだった同僚の先生ミンジュがヨンウンに殺されちゃったのがかわいそう・・
どうもミンジュ役の女優さんのインタビューでも書いてありましたがミンジュもジュンギに対して恋心があるんですよね。
妻ソヨンがミンジュに釘をさすシーンもありますし。
最終的にヨンウンが飛び降り自殺をするので事態が収束して終わりを迎えるんですが。



私的にはチャン・ヒョクが見たくて見たので大満足。
「運命のように~」のような大富豪の社長で愛にも溢れた思いっきりフィクションのゴンも良いですが
「愛の棘」のように弱い男を演じているチャン・ヒョクも魅力的でした。
このジュンギ役の方がより人間臭くて感情移入できる。
ドラマだと韓国はR指定もあり結構うるさいらしくラブシーンやベッドシーンに規制があるらしいのですが
映画だとほかの韓国映画もそうですがベッドシーンもかなりがっつりハードです。
そういう意味でも色っぽいチャン・ヒョクが見れます。



この映画、結構賛否両論あるようなんですが私は結構好きな1本になったかも。
ジュンギ(夫)・ヨンウン(生徒)・ソヨン(妻)の誰の感情も理解できる。
立場的には私も妻なので、妻としての感情は勿論理解できるし行きすぎだとしてもソヨンの行動も理解できる。
しかも母として子供を守らないといけないから強くならざるを得ない。
ヨンウンも大企業の妾の子供として裕福だけどさびしい環境で育ってきて愛に飢えている。
まだ高校生で恋愛経験も乏しくて好きだった先生に振り向いてもらえた!と愛が暴走する。
その気持ちもなんだか理解できる。
ストーカー化するまでのヨンウンは小悪魔的でほんとに可愛いです。



一番悪いのはジュンギなんだけど彼の気持ちも理解できるんだよなぁ。
この映画はスタッフロールが始まってすぐ見るのをやめてはダメな映画。
スタッフロールの途中で、ヨンウンを見つめるジュンギのシーンが入る。
私は、ジュンギが一時の感情で理性をなくしてヨンウンにキスをしてしまったとは思わない。
ジュンギはヨンウンを愛していたんだと思う。



やりたいわけでない高校教師という職業や
家庭での鬱々とした感情があったのは事実である意味現実逃避をしたかったのかもしれないのだけど
ヨンウンの瑞々しい若さと生を謳歌しているキラキラ感。
自分に対してまっすぐ好きという感情をぶつけてくるところ。そういう所に惹かれていたのは紛れもない事実で。
だから何度かヨンウンが「私を愛しているでしょ」と聞くけど
やめろ、とか妻が気づく、とは言うけど一度も「愛してない」とは言わないんですよね。
最後のシーンで季節が変わり、ジュンギが一人で涙を流すシーンがあるけど
生徒を、一人の人間を助けられなくて後悔しているようにも見えるし
一瞬でも心を奪われた人を亡くしてしまったのを悲しんでいるようにも見える。
あとは全力で自分を愛してくれた人という意味でも。



メンヘラ女子高生がちょっと手を出しちゃった先生にストーカーする話、
ってざっくりした感じはそうなんだけど
ただそれだけではない「愛」はあったんだと思うんですよね。3人それぞれに。



ゴンのような強くまっすぐなヒーローのチャン・ヒョクが見たいならおすすめしないけど
人間臭くて弱いとこともあるチャン・ヒョクも見たいならおすすめの1本です。

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2017年3月31日 (金)

台南の旅〜全美戯院

ホテルで軽く朝ごはんを食べてから、いざ台南の街歩きへ。
街歩きと言っても今回は徒歩でなく、おもに自転車。
ホテルで無料のレンタサイクルがあったので借りました。
でも、最初はかなり自転車で行くの怖かったんです。
まず日本と違うのが右側通行。左を行くのに慣れているのでなんだか違和感。
あと台湾はバイクが多い。そして道(特に歩道)に段差があってガタガタ。
自転車も乗り慣れないタイプのもので、正直大丈夫かな〜と思ったんですが
徐々に慣れてしまうものですね。

かいこさんが、面白いところがあるよ!と連れて行ってくれたのが小さな映画館。
全美戯院という今では失われつつある手書き看板の映画館です。
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漢字で書いてあると可笑しい感じがしますが、何の映画か大体わかりますよね(笑)
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この看板を描いているのは台湾でも唯一最後の映画看板師さん。
この伝統が失われるのを危惧した若者達が現在は週末クラスで書き方を教わっているそう。
映画館の向かいの建物には生徒さん達の作品かな?飾られていました。
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この映画館、台湾出身の映画監督のアン・リー監督が高校生まで通っていたところなんだそう。
アカデミー監督賞を受賞した「ブロークバック・マウンテン」は私も大好きな映画です。

日本でもシネコンばかりでこういった小さな映画館はどんどんなくなってきていますが
なんだか情緒があって良いのでいつまでも無くならずにいてほしいものです。

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2016年5月18日 (水)

台北の旅2016〜ニュー・シネマ・パラダイス

ニュースでやっていましたが、2019年を目安にパスポートの見開きページのデザインが
葛飾北斎の富嶽三十六景になるそうですね。
前にアンドリューにアメリカのパスポートを見せてもらったら、ページのデザインが一枚づつ違って自由の女神とかオオワシとかでかっこよくて羨ましかった。
葛飾北斎、日本らしくて良いと思う。


***************************************

夜、ぶらぶらしていたら、たまたま見つけた光景。



寧夏夜市の近く、雙連市場の脇の太原路沿いの路上で映画がやっていた。
横断歩道の向こうにスクリーンがあって、手前の廟の所でプロジェクターを使って映していた。
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何となく皆が立ち止まり、立ったまま映画を見ている。
まるでイタリア映画の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいな光景。



廟があってそこの張り紙を見ると定期的に上映をしているみたいだった。
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私が知っている時代で路上映画なんてないんだけど、何だか懐かしい気持ちになった。
昔の日本もこうやって皆で映画を見たり、テレビをみたりした時代があったんだろうな。
それが台湾ではまだ残ってる。



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2015年1月28日 (水)

香港の旅〜夜の散歩

佐敦から女人街に向かって歩いて行きました。
夜の散歩と言っても人通りの多い所を歩いているので安全です。

真っ赤なネオンに染まるビル。
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香港と言えば道にせり出す看板。
Hh2a0949

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西洋菜南街ではストリートパフォーマンスが沢山やっていました。
こちらは中年男女のグループ。ゆるい。
Hh2a0958

女人街につきました。
女人街は狭い道の両側に露店が並んでいて、主に女性が買い物するような
服飾小物とか雑貨とかが売っていますが、センスのいい物が売っているわけではなく
偽物や安っぽい物の宝庫です。金額はついていないので交渉制。
特に買いたい物はないので素見しただけ。
Hh2a0969

女人街のすぐ近くに香港映画、インファナルアフェアのロケ地がありました!
第一作目の冒頭、サムの組織が麻薬取引をするビルです。
ヤンが警視にモールス信号を送ってた例のビル!
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斜め前が学校で警察側はこちらの建物を使っていたようです。

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2014年1月 8日 (水)

セレステ∞ジェシー

なんかこういう映画もありだよなーと思って気に入った一本。
サントラもすごくいいです。

セレステ∞ジェシー( Celeste and Jesse Forever)


会社を経営するセレステ(妻)と売れないアーティストのジェシー(夫)
付き合いも長く仲良しの夫婦だけど、うだつのあがらない夫をみかねて
セレステから離婚を切り出し別居中。でも実際は隣同士で住んでいるし
別れてもずっと親友同士でいようと思っている。
でもある事がきっかけで今までのようではいかなくなり、セレステは・・


続きを読む "セレステ∞ジェシー"

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